アンダースカート

4/26
前へ
/241ページ
次へ
「中身はモンブランとストロベリーチーズケーキ、あとチョコレートケーキだな」  甲太がケーキのレパートリーを確認すると、3人は右手の拳をケーキの上でぶつけて、離しながら声を上げる。 『ジャンケン、ポンっ!』  もう1度腕が前に出され、ケーキ争奪の勝敗が決する。勝者は…… 「ふっ……」  美宮だ。 「ちぇっ、じゃあミク、1コ選んで」  輪花が悔しそうにそう言うと、美宮は目をキラキラさせながら中のケーキを眺める。  ちょっと考えてから、彼女はストロベリーチーズケーキを取り出して自分の取り皿に乗せた。 「私コレにする」 「1番値段の張る物を取って行きやがったな」 「これぞ……勝者の特権」  嬉しそうにケーキを口にしながら、美宮は自分の定位置である本棚の前のソファに座る。本棚には彼女の持ち物である本がぎっしり並べられており、2つ目の棚を入れるかどうか検討中だ。  一方、ダイニングテーブルの上はまだ戦場である。 「行くぞニノ、俺たち2人の狙いは間違いなくチョコレートケーキだ。これを食すのがどちらか、決めようではないか」 「そうね。何せ、このモンブランはわけありだから」  
/241ページ

最初のコメントを投稿しよう!

75人が本棚に入れています
本棚に追加