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「中身はモンブランとストロベリーチーズケーキ、あとチョコレートケーキだな」
甲太がケーキのレパートリーを確認すると、3人は右手の拳をケーキの上でぶつけて、離しながら声を上げる。
『ジャンケン、ポンっ!』
もう1度腕が前に出され、ケーキ争奪の勝敗が決する。勝者は……
「ふっ……」
美宮だ。
「ちぇっ、じゃあミク、1コ選んで」
輪花が悔しそうにそう言うと、美宮は目をキラキラさせながら中のケーキを眺める。
ちょっと考えてから、彼女はストロベリーチーズケーキを取り出して自分の取り皿に乗せた。
「私コレにする」
「1番値段の張る物を取って行きやがったな」
「これぞ……勝者の特権」
嬉しそうにケーキを口にしながら、美宮は自分の定位置である本棚の前のソファに座る。本棚には彼女の持ち物である本がぎっしり並べられており、2つ目の棚を入れるかどうか検討中だ。
一方、ダイニングテーブルの上はまだ戦場である。
「行くぞニノ、俺たち2人の狙いは間違いなくチョコレートケーキだ。これを食すのがどちらか、決めようではないか」
「そうね。何せ、このモンブランはわけありだから」
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