75人が本棚に入れています
本棚に追加
「……私の、勝ちね」
勝者はニノ、輪花だった。
「あ゙あ゙あぁ゙ぁあ゙あぁぁ゙ぁぁっ!?!!??」
「ウルサイ……」
美宮の嘆きなど陳腐なものだった。『当たり』と『外れ』と『外れでなくてもおふざけ』である割合が1:6:3のモンブランを引いたのだ、その悲しみは○リーを失ったゼボッ○と同等のレベルである。
「よし、これでチョコレートケーキは私の物ね。いただきまぁす♪うん、おいしい~」
「ニノちゃん……やってることがえげつない……。それと顔が悪過ぎ」
今の輪花の顔は、正直文章では表現しきれないほどの嬉しさと甲太への皮肉が超融合している。目にした瞬間に、ウンコを剛速球のように投げつけたくなる程である。
「まぁまぁガラシ君……きっと味は大丈夫だから、モンブラン食べなよ……」
「グスン、それが勝者の余裕ってやつかよ。惨めだ、惨め過ぎるぜ……」
駄目だこりゃ……。美宮は甲太のあまりの落ち込み様に、本日2度目の溜め息を吐いた。そして、こういう時かわばたがいればなぁ……と思ってしまう。
もし彼がこの場にいた場合、ケーキ争奪の戦争はより苛烈となっていたはずだが
最初のコメントを投稿しよう!