お家へ帰ろう

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「……何をする気だ?」 俺の問いには答えず、たかしはブレーキを伝える線を二本とも切った。 その行動に周りはざわつく。 馬鹿かこいつ……! ブレーキ無しだと……! 死ぬ気か……! 皆が思ったに違いない。 たかしは語り出す。 「俺だってわかってた……。このままじゃ駄目だって……。でも怖くてさ……。引かれたことを思い出すとついブレーキを……。だから切った……。かけたくてもかけられないようにした……」 常軌を逸してやがる……。しかしそれほどに本気ということか……。何て奴だ……。 踏切がついに開かれる。それと同時に一同は走り出す。真っ先に抜きんでたのはサイバーじゅんだった。 電動アシストはやはり大きい。次いでまさる。とても自力とは思えない走りだしである。 次いで……何とたかしであった! 吹っ切れたのか、たかしはみるみるスピードを上げていく。それは優勝経験のある、全盛期を彷彿とさせる走りだ。 「ど、どうだー!」 たかしは雄叫びを上げた。更にスピードは上がっていく。恐怖はないのか、たかしは漕ぎ続ける。 狂気的な人間はある意味強く、じゅんもまさるも抜き去り、たかしは一位に踊り出た。 「ぐわぁぁぁ!」 しかし曲がりきれず、激しく横転した。たかし崩壊の瞬間であった。
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