お家へ帰ろう

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俺たちはレースを繰り返した。俺は鍛練の末、上位集団と渡り合えるまでになっていた。 そんな時だった。衝撃の出来事が起きたのは。 マウンテンバイクのたかしが事故ったのだ。軽自動車にタックルし、右腕が折れてしまった。 その事件は波紋を呼び、関係者で話し合いをすることなった。一時は解散することに決まった。しかし全員自ずから集まった者達で、止められるわけがなかった。その魂の火を消せるわけがなかった。 しかし事故は軽視できず、週に一度、水曜日のみの開催となった。その日以外は急ぐのを禁止された。 そのため、水曜日はたぎった者達のお祭りとなる。ただ純粋に一位を目指し、皆は走った。 そして今日は水曜日、レースの日である。 「じゃあね」 「おう」 由実と俺は教室が違うため、別れを告げた。教室へ向かい廊下を歩いていると、たかしが正面からやって来た。 「よう。調子はどうだい?」 たかしは挑発的な態度で話しかけてくる。戦いは既に始まっているのだ。 「お前ほどじゃねぇよ。今日は骨が折れないといいなぁたかし君?」 「な、な、なんだと! 馬鹿にしやがって!」 たかしは目を三角にし取り乱す。 ふん。チョロい。あくびが出るぜ。だから事故るんだよ雑魚野郎。 俺はせせら笑いながら、たかしの横を抜けた。 マウンテンバイクのたかしとして名を馳せたこともあったが、今や雑魚に等しい。骨が折れて以来、たかしの走りはぬるくなった。 びびってやがるのだ。話にならない。
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