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「んじゃ、事の発端の咲良と藤本にクジとか作って貰おうかな♪
藤本ー、お前、黒板に席の番号とか書けな
咲良は、クジ作りな
制限時間は、10分
他の奴は出来上がるまで自習ー!!」
「やったー♪」
クラスが歓声に包まれる。そんな訳で小林先生から紙を貰い、私はクジを作ることになった。
―*―*―
「ねぇ、先生、こんな感じで良い?」
黒板に席順を書いた藤本君が先生に尋ねる。
「良いんじゃないか?
咲良はクジ出来たか?」
クラスが慌ただしい中、私は一生懸命クジを作っていたが、藤本君の早さには着いていけなかった。先生の問いに私は首を振る。
「深那、手伝うよ」
友達のあっさこと、飯田梓が手伝おうと近寄ってきた。
「俺が手伝うよ
飯田は、向こうで遊んでなよ」
あっさと私の間に割り込んできた藤本君が私の席の前に座った。
「3人ですれば早く終わるじゃん」
あっさは、藤本君の割り込みを無視し、隣に座り、クジを作る作業に掛かる。私は、どう反応したが良いのか分からず、
「ごめんね
ありがとう」
2人にお礼を言い、作業を続けた。これが、初めて藤本君と話した瞬間だった。
―*―*―
「よし、クジも出来たな
んじゃ、右と左の前の席の奴、じゃんけんして」
クジが入ったケースを揺らしながら、指示を出す。
「「最初はグー、じゃんけん………」」
クラスは、席替えムード一色になり、クジは右の廊下側から引くことになった。
〔また、後ろの席が良いなぁー…〕
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