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「おっばさーん
おばさーんおばさーん♪」
「あらあら
三途の川を渡りにきたの?
胡桃ちゃん」
にっこり
笑顔のまま、手に持った包丁を持ち変える佐川母。
間に合ってますと答えて
お願い再開。
「豊子さん
苺タルト食べたい」
佐川母もとい豊子(とよこ)さんは俺の言葉に、笑みを深めると
「そう言うと思って
じゃーん!」
見せられたのは、
綺麗に切り分けられた苺タルト。
艶やかな紅、フォークを通せば良い音を立てて崩れそうな茶色。
「流石 豊子さん
美味しそーう」
「でしょでしょ!?
良い子ねぇ」
イエーイとハイタッチをする俺と豊子さん。
の後ろから
「何やってるんですか」
良く通る低くも高くもない
「日野君」
の声。
佐川母はイケメンの登場に頬を紅潮させ、一目散に日野君の元へ駆け寄り
「やーんお肌つるつるぅう」
やいこら。
何してんねん。
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