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「なぁ味噌。
なんであいつ退学になったんだ?」
野次馬魂を燃え盛らせて佐川が問う。
佐川の言ゔあいつ"とは勿論団長。あの顔を思い出すだけで、胸がムカムカしてくる。
そんな思いを払拭すべく、俺は元気よく佐川にブイサイン。
「あぶなッ!!」
「チッ…聞いて、俺ね」
「おい」
俺の繰り出したブイサインが佐川の鼻をかすり、思わず舌打ち。
でも、すぐにあることを報告しようと笑顔を向けた俺に苦い顔の佐川。
「嫌な予感がする」
「良いことだよ!
なんと、俺日野君と付き合うことになりましたー、イェーイ」
「ふーん」
聞いても興味ねとばかりに佐川がそっぽを向く。
そして視線を戻し
「あいつ、体育祭終わってから女子高にも男子高にもファンクラブできたらしーぞ」
「……………え?」
何でのっけからそんな不安要素をぶちまくんだ、こいつ。
頭イカレてんのか?
「それが、熱狂的らしくてあいつの周り皆被害に遭ってるって」
「誰情報…?」
「あいつ」
佐川が顎をしゃくった先には、この五月蝿い教室で黙々と参考書を読む委員長。
いつ情報を仕入れてんだ?
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