ロマンスの神様 (首長)

2/4
前へ
/106ページ
次へ
「さがのかわしまりゅう?」 いつも出勤する路の途中にある、大きな屋敷の玄関の木の看板に書かれた達筆な文字を声に出して読んでみる。 「何やろ?茶道とか華道とか?」 本当に大きな家だったから毎日通りかかるたび気になっていた。 もう一つ 時々見かける、この玄関で門弟を見送っているらしい着物姿の男。 遠目でしか見たことないけど白い肌と黒い髪。 優しげに微笑う顔が印象的な。 カラカラカラ うっとり物思いに耽っていたら軽い音がして玄関の格子戸が開いた。
/106ページ

最初のコメントを投稿しよう!

51人が本棚に入れています
本棚に追加