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「あ」
窓の外。
中を窺うように門の前を行き来しているスーツにメガネの男。
この家の前の道が通勤路らしくよくスーツ姿で通り過ぎるのを見かけていた。
時々、もの言いたげに立ち止まるその姿が。
「え!?ちょっと、あき…ぶわっ!!」
着物を功太に投げかけて部屋を飛び出す。
外に出てから呼吸を整えるためにゆっくり歩き出した。
門の格子戸の前で静かに立ち止まると乱れた髪と着物の裾を整える。
そして。
end.
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