始まりと終わり

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『私と、取り引きをしないか』 真っ暗な中でどこからか声が聞こえてきた 何だここ、怖く…ない? むしろ安心出来る、なんだろう、この不思議な感覚 『ここは生命の始まり、全ての始まり。』 始まり…? 命が始まった所だから、安心するというのだろうか よくわからない理屈だ …というか、そんなことを出来る者がいるなら神様くらいなんじゃないか 『そうだ。』 え、なに肯定してくれてんだこの声 神様だなんて… 『本題に入ろう。取り引きの内容は、有馬翔平を生かす代わりに、笹野優衣…私を助けてもらいたい』 な、に…それ… 神様に出来ないことを私にやれってことか? 冗談じゃない、私は一般人だ、神を助けるような知恵も能力も持っていない 『君はこの世界ではなく、違う世界に行き、調べるだけでいいのだ』 調べる…? 違う世界を調べろって…そんなの、私には出来るわけ… 『私が力を貸そう。頼みたいのだ。…有馬翔平の…人の運命を変えることは、してはならぬことだが、君がその世界を歪ませている原因を調べてくれるのであれば、目をつぶる』 …隠蔽っていうんじゃないの、そういうの まぁいいや、……それで、翔平が、助かるなら 『…そうか。よかった。その世界に行くのに、姿形を変えるか?都合の良い姿にしてやれることも出来る』 え、それは整形ってこと? 神があまりにも酷いと思うなら治していいけど、そこまで酷くはないと思うんだけど… 『わかった。…あと、向こうでは本名を名乗ってはならぬ。では、頼んだぞ……』 ほっ本名いうなって… どうしたらいいんだよ一体! そこで、意識も途切れた。
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