綾川涼乃による王道

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キュッ……キュッキュ……キュッ…… 暗がりの部屋に、黒いマジックのペン先から響く音。 雲が風に乗って流れ、その顔を出し始めた月の光が、 ゆっくり、ゆっくりと、そのペンを握る手を、次第に腕を、肩を、 やがて、仄かに笑うその口許を、照らし始めた。 誰にも知られず、誰にも気付かれず、 そして、日常が一変する。
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