scene2

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駅で、なんとも目立つ二人を発見した。 綺麗な黒髪を腰まで伸ばした女性と、シルバーアクセサリーで武装して、派手に赤と茶色のメッシュで他を威嚇している若者の二人だ。 どうやら若者ばかりが話していて、女性はまさに迷惑そうな顔をしていることから、ナンパというやつだ。 珍しいな。 素直にその感想しか浮かばない。 ナンパなど名前だけが横行し、実体などないものだと思っていたんだが。 あの女性には悪いが良いもの見せて貰ったと思う。 助ける気? 勿論ない。だって必要無いだろうからな。 そう自問自答して、明快な解答を得て、今一度手元の数独に目を移す。 いつも電車内でおじさん達がやってる、あれだ。 軽く鼻で笑いながら見てたあれを自分がやるとは思わなかった。 ましてやまさかこの歳でハマるとは更に思わなかった。 うーむ、何事も馬鹿には出来ないな。 そう思いながら空欄に数字を埋めていく。
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