勾玉――壱

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勾玉――壱

 底。  奥深い底。  漂っても漂っても  音は波間波間を流れゆきて、  耳に入るのはただ一瞬ばかり。  消えてゆく、  消えてゆく、  音。   頼りない記憶。  うたかたに誘われ導かれて、  海へと還ってゆく。  たゆたう粒、珠の路を通りて、  天へと還ってゆく。  まばゆい太陽の下、  掛けるべく手を追い求めて。
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