空の彼方――弐

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空の彼方――弐

 通い路はその眼  鮮やかな色を以て それは放たれる  怖ろしき空は沈んでいき  少年を包み込む……  誰も触れることのできない  漆黒のあざ  紅くなっていくそれを  少年は憎々しげに見やる  天に映らぬ鮮やかな紅  落とした涙は土に還り  やがて空に舞う  心はちっぽけに解けていく  ――止められやしない  空気のように  これが真実   
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