ストーブの灯り

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それは… なぜだか良く分からなかったんですけど 兄貴はオレを本当にかわいがってくれたんです。 産まれたばかりの娘にオモチャを買って来てくれたり クリスマスになると… 『お前ん家貧乏だから🎵』と  クリスマスケーキを買って来てくれたり オレが熱いっすね~うち扇風機が壊れちゃって…と言うと翌日、新品の扇風機を持って来てくれたりね。 ありがたさ半分と申し訳なさ半分がいつも兄貴にあった。 街で兄貴の営業車を見掛けると 缶コーヒーを持って行き事ある事に相談したりしていたんですよ。 そんなある日… 兄貴が車を買う事になり50万のパーツを買うのに借金の保証人になって欲しいとお願いされたんです。 兄貴を信じていましたから二つ返事で受けたんです。 断る理由もなかったですしね その後も兄貴はオレがタイヤを買い換えなければと話をすると一週間後にはタイヤを持って来てくれる様な人でした。 そうゆう付き合いがはじまり2年経った時、オレには二人目の娘が出来たんです。 もちろん兄貴も喜んでくれたんですけど この時オレはタクシー会社を辞める決意があった。 水商売の様なものでしたからどんなに働いて走って流しても 金が入って来なかったので会社辞めざる負えなかった 辞める事を兄貴に話すと兄貴は 淋しそうだった。 そしてオレは運送屋に入ったんです。 運送屋に入るとタクシー上がりの人間は仕事から干されたりしてイジメに合ったりしましてね 運送屋も不景気でしたから一年後にはタクシーでアルバイトをしながら運送屋にも働いたりして再び兄貴と繋がっていたんです。 一番オレを誉めてくれたり認めてくれたりしたのも兄貴でしたからタクシーのアルバイトは寝不足でしたけど楽しかったんです。 オレの楽しみは昔、兄貴がまだ現役の極道の頃の武勇伝を聞いたり 過去の女の話を聞いたりした時に兄貴が何気なく照れながら話をする仕草が好きだったし楽しみだったんですよ… その当時は睡眠時間が2時間くらいでしたけど家に金がはいれば子供に裕福な暮らしも与えられましたしね 嫁もそんなオレを最初は呆れていましたけど金さえ入れば黙っている女でした。
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