ストーブの灯り

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少し話が飛んでしまうんですが… 兄貴と知り合い 兄貴から声をかけて頂いた日から8回目のコスモスが野山に咲く頃 兄貴から頂いたストーブをリビングに出していたら1本の電話が兄貴の奥さんから入ったんです。 『兄貴が警察に追われてる』 『よっちゃん!どうしょう💦』 そう言うとオレが喋らずに電話が切れてしまった…。 オレには何の事かサッパリ分からずに混乱していたんですけど 奥さんにリダイヤルしても兄貴に電話をしても繋がらずに数日が過ぎたんです。 その頃オレは本格的に 運送屋の長距離に乗っていましたから兄貴の近況までは分からなかったんです。 長距離で千葉からの帰り道の事、兄貴の事が気になり電話を入れても繋がらず 兄貴との会話を思い出しながら新潟へ帰っていたんです。 兄貴は元極道でその武勇伝はごく普通の生活しかして来なかったオレには刺激的で可笑しい話ばかりでした。 刑務所に留置された話も聞いたんですが…。 刑務所に入ると女っ気が全くナイじゃないですか… 務所から出た時に女性を 喜ばす為に刑務所から支給される歯ブラシを丸く壁で削り本体に入れて真珠代わりに使った事。 聞いた時は唖然としましたけど刑務所の中では流行っていたそうです。🎵 もう1つは… 刑務所にはいる受刑者の中で窃盗犯と強姦犯を犯した受刑者はションベン刑と言って 同じ受刑者の部屋の中でも、ことごとくイジメられると聞いていた。 話をしてくれた当時の兄貴が 『オレはあんな塀の中でイジメられるくらいなら借金してでも海外逃亡だな!!』 『見ているだけでも辛かった…』 そんな話をしてくれたのでした。 そして数日後… オレは新潟の某工場でトラックに製品を積んでいる時に奥さんから携帯が鳴ったんです。 もの凄く嫌な予感がして 積込を途中で止めて奥さんにリダイヤルを掛けたんです。 この時、工場裏のコスモスは半分枯れかけていました。 『よっちゃん…』
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