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奥さんから呼ばれ
兄貴の内情を聞いたんです。
奥さんから聞いた話によると…
共働きの奥さんよりも早く帰った日はお金がないハズなのに豪華な食事の支度が出来ていた事。
高額な品物が自宅の物置小屋に 大量にある事。
確かにオレも15万もする新品の ナビゲーションを１万円で買った事があったんです。
そして極めつけに…
万引きや窃盗で警察から事情を聞かれた事があった事。
オレだけではなく…
色んな人に頼られると
それらをすぐに用意してくれる そんな人だったと…
それと兄貴は人が喜んでいる姿を見るのが好きな人だったと聞かされたんです。
警察側から…
容疑者死亡のまま起訴を取り下げたとも聞いた。
更に 遺言があったこと。
遺言の中にオレの名前が入っていて…
50万円の借金の保証人となったオレには違う金を当ててオレに支払わせるとの事。
要するに…
オレに金を渡し保証人として支払ってもらえ！と書いてあったらしい。
自分がこれから死のうと考えているのに
あなたはたかが50万のことでオレにまで配慮した遺言を書いていたのか…
それでも
自殺って本当に卑怯だと思います。
死ぬくらいなら死んだつもりでやればなんとかなると思うんですよ。
オレは兄貴が死んでまで
守った事、人によっては
逃げた事と言う人もいると思う。
でもオレは生前に兄貴が口癖の様に言っていた…
『武士は食わねど高楊枝』
この言葉を貫いています。
兄貴！今年もあのストーブは壊れないで使っているよ
壊れても直して使うよ。
おしまい。
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