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無理矢理の情事後、一糸纏わずの状態の身体を起こしベッドの下へ手を伸ばした
手探りで服を掴み堅いモノを掴み取る
それを隣で寝ている奴に向けた
銃口を向けられているのにスヤスヤと眠るエース、同じ始末屋とは思えない
仲間である俺だからなのか、
危機感の無さに呆れる
ピンッと安全ロックを外した
その小さな音に気付いたのかエースがゆっくり目を開ける
「…なんやねん」
安全ロックが外されている銃を見て顔をしかめた
「終わりにしよ、こんなん異常や」
男同士でやっていい行為ではない
非生産的で意味がなさすぎる
「少し異常の方がおもろいって」
片方の口角だけ上げて笑い、ベッド脇にある机から煙草を取り、銃口を向けられているのにも関わらず煙草を吸い始めた
引き金を引かないと決め付けている
「俺から逃げんな、アーセナル」
強い瞳で見つめられ、引き金に当てていた指が少し揺れた
離れなくなる、放れられなくなる
「もう…自由にしてくれ」
自由になりたい縛られたくない
誰かといるより1人の方が好きだった
なのに、エースと出会って…
こんな関係、あいつらには知られたくない
あいつらを失いたくない
「嫌に決まっとるやん、」
「俺はお前の女やない」
真剣な顔で言った俺を見て、エースは笑い、口の隙間から煙草の煙が出た
「やから俺を殺すん?…ええよ殺しても」
「…は?」
「殺してもええって、アーセナルなら」
殺した奴の顔と名前は一生覚えてくれるんやろ?
そういい、エースは目を瞑り、銃口に自ら額を当てる
あとは引き金を引くだけで…
身震いがした
初めて銃を恐ろしいと思った
簡単に人の命を奪う凶器
静かに銃口を下げる
エースは目を開けた
「何、撃たんの?」
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