仁亀

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「俺も、…辛かった。周り気にして話出来ないし、仁からメールも電話もないから、嫌われた…て思って寝れなかったし。何回も仁に会いたくて、マンションの前に行ったりした。けど…怖かった。他に女がいたらどうしようとか、事務所にバレて…別れさせられたら…とか。」 こんなに長く一緒にいて 初めて亀の本音を聞いた気がした 亀のことだから、いろいろ 1人で周りに相談せず… 俺とのこと考えてくれて 俺のこと想って不安になったり 俺の何倍も辛い思いをさせた それなのに俺は… 最低だな、マジで。 「でも仁が…もう、限界なら…別れ…よ」 必死に隠してるけど 電話越しで泣いてるのが分かる 亀はそういう人間だ 弱いとこを見せない 亀がこういう性格だって 知ってたはずなのに 自分ばかりで… 「亀、ごめん。」 「…仁?」 「俺さ、もっと大人になるから。亀だけに無理させないよう頑張るから、だから…」 「始めっからやり直そっか。」 最低な俺だけど 亀を想う気持ちは 誰にも負けねぇから 「仁…。ありがと。…好きだよ。」 「俺も。…今、会いにいったら怒る?」 「いや、でも…」 「でも?」 「仁ん家着いたし…。」 「え!?」 ドアを開けると亀がいて 「撮影場所が近かっ…」 最後まで言わせず キスをして抱き締めた 「辛い思いさせてごめん」 そういうと亀の顔を 押し当ててる肩が 涙で濡れた。
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