麗〈レイ〉

6/6
前へ
/61ページ
次へ
「……失礼します」 軽く頭を下げてデスクに戻る。 軽い疲労が目に来たのか霞んできた。 メガネを外して目頭を押さえる。 今日も疲れた。 頑張った資料も「ありがとう」と一瞬で片付けられてしまう。 今まで失敗をしたことがないからだろう。 それでも己の仕事を部下に押し付け、感謝している表情ひとつ見せない上司に、多少怒りを感じていた。 時々、めちゃめちゃに資料を作ってしまおうか、なんて考えてしまう。
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!

91人が本棚に入れています
本棚に追加