信じて待つ君へ

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「これは…酷いな………」 舞がミラージュタウンに降り立ち、口元を覆いながらの第一声はこれだった 汚れたガスが所々から噴き出し 道端にはまるで最初からそこにあったのかと思うほど転がる沢山の死体 辺りは鼻をつんざく死体の腐った臭いで充満していた 「ルシア………」 全滅、そんな言葉が彼女の頭によぎる しかし、その思考はすぐに断ち切られた ズボンのポケットから携帯端末を取り出す 「生命反応?」 舞は画面に記された生存者を意味するマークを確認する 少し考える仕草をした後そのポイントへ向かって走っていった 舞が桜両から与えられた任務は、崩壊寸前の次元の最終調査 この街……いや、次元は機械文明がとても栄えた次元だった しかし、機械の便利さに頼りすぎた人間はもう末期状態だった それを見かねた桜両と時の番人はこの哀れな次元を「消す」ことにしたのだ 本来、次元を消す時は消す前に桜両がその次元にいた人間を次元の狭間へと飛ばし とばされた人間はまた別の次元で新しい命を授かる仕組みになっている しかし、その作業をする前にこの次元は死んでしまったのだ ルシアという女がこの次元の機械を使い、崩壊寸前まで追い込んだのだ 実はこの事例はこれが初めてではない ルシアによって破壊された次元は今までいくつもあった 「(くそ、反応が弱くなっていってる…)…このあたりか?」 舞は瓦礫の山に手を置く 慎重に且つ迅速に瓦礫を手で取り除いていった .
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