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~15分後~
瓦礫を退かしていたら
人と思しき手が瓦礫の下から見えた
まだかすかに指先が動いているのを確認した舞は、下敷きになっている人物に話しかける
「おい、大丈夫か!?」
返事は無い
舞は小さく舌打ちをして、乱暴に残りの瓦礫を退かしていった
全ての瓦礫を退かし、舞は下敷きになっていた人間を引きずり出した
その人物はまだ幼さがのこる少年だ
「おい、しっかりしろ!」
「………ん…」
――意識がある
それだけで舞にとって大きな収穫だった
その少年を担ぎ上げ、舞はこの次元を去った
それから10分後……
音もなく、一つの次元が消え去って逝った
数多の死体と共に
「紫アネモネ」の花言葉は、あなたを信じて待つ
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