水車小屋の番人

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もう、このまま、この森で…わたしは、意識が薄らいでいくのを感じた。 そのときかすかな音が、私の耳に届いたのだ。 水の音……これは。 川だ!  絶望に打ちひしがれていた心に、希望がわき上がってきた。 音のする方向へ力を振り絞るようにして進んでいくと、果たして、 そこには川沿いに生える野草の群落があった。このむこうには、確かに川 がある。川に沿って歩き続ければ、 下流に町があるはずだ。 私の胸は躍った。
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