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声の方向を見るとそこには、水車小屋の番人が立っていた。
「湖の水を汲むには、この桶しか使ってはならんのだ。」激情した声で、
番人は叫ぶ。
少女は、悲しそうな一瞥を、番人に投げかけると、そのまま後ろへ振り返
り堂々と歩き始めた。
その背中には、ある種の決意さえ込められていた。
次の瞬間。
番人が、思いもよらぬ素早さで、少女の後ろへ、回り込んだのだ。
そして・・・
番人の握りしめた空のその桶は、
少女の上に振り下ろされ鈍い音を立てた。
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