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どうも。俺の名前は下田上騨。
読めないって?じゃあこれ以降カタカナ表示にしてやんよ。俺って優しいな。おっと惚れんなよ?火傷するぜ?
「何をブツブツ言っとるんじゃ?ウエダよ」
「うっせぇんだよ糞ジジイが!軽く現実逃避してたんですよ悪いですかああ悪いですとも!」
聞いた通りだ。俺の名前は下田ウエダ。ギャグじゃない。マジだ。この名前のせいで今まで散々イヤな思いをしてきた。ガキの頃は特にな。
「お前上がいいのか下がいいのかハッキリしろよ!」
なんて理不尽な理由で虐められたりもした。字面だけ見れば軽く18禁だ。
高校になるとイジメはさらにエスカレートした。
「漫才コンビか!」
とさらに理不尽になった。
そんないじられ人生を送り早20年。
大学中退
フリーター
ギャンブラー
多重債務者
変なジジイに拉致られる(←今ココ)
「フッ。全く…退屈しない人生だぜ」
あれ?おかしいな。ははっ。涙が止まらないや。
「なんで泣いとるんじゃ?」
「うるせぇジジイ!いたいけな青年を拉致りやがって!おのれは人間北朝鮮か!」
あれは数時間前の事。俺はいつも通りパチ屋とアイ○フルを往復していた。
突然バチッという音がしたかと思ったら、俺の意識はプツリと切れた。
「スタンガンとは…やってくれるな」
俺は憎悪をガッツリ込めてジジイを睨む。
「スタンガン?あれ指鉄砲じゃが」
ああ。あれですね。輪ゴムを指に引っ掛けて打ち出すやつ。
「あぁ輪ゴムね。なぁんだじゃあ仕方な…輪ゴムッッッ!?」
輪ゴムに気絶させられるなんて恥ずかしい!
どの位恥ずかしいかって言うと、途中から完全に空気になったヤムチャくらい恥ずかしい!
「ふ。窮鼠猫を噛むとはこの事か」
「お前は無機物に噛まれたがの」
うるさいやいっ!早く話進めろやいっ!泣いちゃうぞ!
「まずは突然誘拐してしまった事を謝罪しよう。これには深いワケがあったのじゃ」
急に真面目な顔で話し出すジジイ。
「実はのぉ…下田ウエダよ。ワシはお主の夢を叶えるためにやってきたのじゃ」
きーぃっとー何年たぁーってもーこーぉーしてぇー変わぁらぬ気持ちでぇー。
おのれはドリカムか!夢はきっと叶うってか!やかましいわ!
「俺の夢?」
脳内でブレーキランプが5回点滅しているが話を進める。
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