第1話「夢はヒーロー」

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 どうも。俺の名前は下田上騨。 読めないって?じゃあこれ以降カタカナ表示にしてやんよ。俺って優しいな。おっと惚れんなよ?火傷するぜ? 「何をブツブツ言っとるんじゃ?ウエダよ」 「うっせぇんだよ糞ジジイが!軽く現実逃避してたんですよ悪いですかああ悪いですとも!」  聞いた通りだ。俺の名前は下田ウエダ。ギャグじゃない。マジだ。この名前のせいで今まで散々イヤな思いをしてきた。ガキの頃は特にな。 「お前上がいいのか下がいいのかハッキリしろよ!」  なんて理不尽な理由で虐められたりもした。字面だけ見れば軽く18禁だ。  高校になるとイジメはさらにエスカレートした。 「漫才コンビか!」  とさらに理不尽になった。  そんないじられ人生を送り早20年。  大学中退  フリーター  ギャンブラー  多重債務者  変なジジイに拉致られる(←今ココ) 「フッ。全く…退屈しない人生だぜ」  あれ?おかしいな。ははっ。涙が止まらないや。 「なんで泣いとるんじゃ?」 「うるせぇジジイ!いたいけな青年を拉致りやがって!おのれは人間北朝鮮か!」  あれは数時間前の事。俺はいつも通りパチ屋とアイ○フルを往復していた。  突然バチッという音がしたかと思ったら、俺の意識はプツリと切れた。 「スタンガンとは…やってくれるな」  俺は憎悪をガッツリ込めてジジイを睨む。 「スタンガン?あれ指鉄砲じゃが」  ああ。あれですね。輪ゴムを指に引っ掛けて打ち出すやつ。 「あぁ輪ゴムね。なぁんだじゃあ仕方な…輪ゴムッッッ!?」  輪ゴムに気絶させられるなんて恥ずかしい!  どの位恥ずかしいかって言うと、途中から完全に空気になったヤムチャくらい恥ずかしい! 「ふ。窮鼠猫を噛むとはこの事か」 「お前は無機物に噛まれたがの」  うるさいやいっ!早く話進めろやいっ!泣いちゃうぞ! 「まずは突然誘拐してしまった事を謝罪しよう。これには深いワケがあったのじゃ」  急に真面目な顔で話し出すジジイ。 「実はのぉ…下田ウエダよ。ワシはお主の夢を叶えるためにやってきたのじゃ」  きーぃっとー何年たぁーってもーこーぉーしてぇー変わぁらぬ気持ちでぇー。  おのれはドリカムか!夢はきっと叶うってか!やかましいわ! 「俺の夢?」  脳内でブレーキランプが5回点滅しているが話を進める。
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