寄り道、そして復讐

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その部屋の窓際に立つディオウは、この部屋に居るリアルクでもなく、隠れているグリードでもなく、ましてや自分自身でもなく、ここから遠く離れた村にいる優斗に向けて心の中で呟いた。 『紅の瞳』……ギルドという名の、国の処理部隊…… 君が『紅の瞳』でやってきた汚い事は、一生君を苦しめるだろう……。 例え、それが君自身の意志でやった事ではないとはいえ、それが命令だったからとはいえ……君が多くの者を殺害したことには変わりない。 人の恨みを背負いながらも、醜く生き続けた君の先に待つものは…… ディオウは一度考えるのを止め、おもむろにポケットの中にしまっていた指輪を取り出し、それを右手の人差し指にはめる。 そして再び心の中で声を出す。 『アロエ……聞こえるか?』 『……ザザ…ディ…ウ…ま…ザザ……何で……か…』 ノイズ混じりで伝わってきた女の子の声。 『通信感度が悪いようだな……。まあいい、魔物の呻き声よりは判別出来る。アロエ、ユウトの状況を報告しろ』 『了解…ザザ……現…、監視対…は……ザザ…アリ…ド村に…ザザ………』 『アリ…ド……アリード村か……』
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