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「サマリー!どうすれば良い?」
口の辺りが頭として、頭だけでもライオン程の大きさはある、さすがにでかい、しっぽの長さは解ら無いが、全長15mほどか。
横から見るとその生物がトカゲににている事が分かる。
「まさかトカゲがこんなにでかくなるとはな!」
この場にいる全員が初めて目にするモンスターだ、多分ライオンも初めての敵であろう、狩猟によって生活の糧を得るライオンが、さして有効な攻撃も出来ず攻めあぐねている。
「ウェイン、ライオンの動きにも注意しろよ!」
確かに今はライオンもこのモンスターを攻撃しているが、ニンゲンにキバを向けないとも限らない、注意を払うべきだろう。
「何だ?攻撃してこないぞ?」
ウェインは巨大なモンスターの左目の前に向かっていたが、途中すれ違ったライオンはウェインに見向きもしなかった。
突如、巨大な敵は向きを変え、サマリーを視界の中心に捉える、その巨体に似合わず俊敏で、ライオンに引けをとらないスピードを見せた、サマリーは一瞬怯んだが、まだ距離があるのを確認して落ち着いて対処する。
例えばあのデカイ口が開いた時、剣を突っ込んだら?・・・喉に届く前に押し潰されるか。
「仕方ない一旦引くか。」
サマリーは後ろを見せ駆け出した、走りながら他の戦士に合図をかける。
「火矢を用意しろ、菜種油をたっぷりかけろ!」
数十人が町に向かって走り出す、サマリーは火を用いて倒す作戦を取った、それを見て風上の戦士が全員を走らせる。
「風上から火を放つぞ!焼け死にたくなければ、あのモンスターを倒せ!」
何人かの大人が傷薬用に持参した菜種油と火起こし用のやすりを使って火を起こす、川からの湿気で思うように着火出来なかったが、何とか成功した。
バオバブの木は皮が厚く火に強い、木に燃え広がる心配はなかったが、デカイヤツがこちらに回り込めば逃げられてしまう可能性が高い。
ザイルの戦士達は、皆が巨大なモンスターを仕留めなければいけないと感じていたが、おそらくバオバブの木の方向へ回り込まれたら、止める手だては無い。
すでに10人程の仲間が殺されていた。
「持っている油袋をヤツの顔に投げつけろ!」
サマリーはモンスターを引き付けながら指示を出すが、あまりにも速いモンスターの顔に革袋を当てるには、至難の技だった。
モンスターはサマリーのすぐ後ろまで来ていた。
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