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「ごめんね、みゆきちを助けてもらったのに勘違をして…」
申し訳なそうに頭を下げてくる。
「勘違いってわかったなら別にいいよ、友達を守るためにやったことだから仕方がないさ」
「そ、そう言ってもらうと助かるよ~」
嬉しそうに笑顔を浮かべ俺の片手を両手で握ってくる。
…別に手を握るのはいいけど…そのキラキラした目の上目遣いやめてほしい……なんかやりにくい。
「せ、関根ちゃん!!」
入江が俺と関根の間に手をパタパタと振りながら入りこむ。
「いきなり、なんだよ~みゆきちそんなに慌てて」
助かったんだけど顔が真っ赤ですよーそしてなんで俺と目を合わそうとすると慌てて前を向く。
…もしかして嫌われている…。
「………っ!」
(どうして私こんなことしたんだろう……関根ちゃんと音無君が手を握ってるのを見て…胸の中がなんかモヤモヤして…体がかってに動いて……」
「………ふむ」
(さてはみゆきちのやつ、あの男の子に惚れたなーきっけは不良に助けてもらった時だろう……なんつーベタな話だ)
「…あんたなかなかいいやつだね、いきなりあんなことされて簡単に許すなんてそうはいないよ。」
ひさ子が音無の背中を叩きながら、笑みを浮かべる。
「…これからバンドの反省会と練習があるんだけど、お詫びに君のために演奏してやろう」
「それ、いいすっね岩沢さんやりましょう…入江もひさ子さんもいいですよね」
「おう、別にかまわないぞ」
「えーと、私は…」
(ここでカッコイイ所を見せればみゆきちに惚れるかもよ)
入江にしか聞こえない音量で耳打ちする。
「私もやります!!」
(しばらくはこのネタでいじれそうだね……くひひひ)
意地悪そうな笑みを浮かべニヤつく…
「じゃあ決まりだな……どうしたさっきから私の顔見て…ゴミでもついているのか?」
「まさか!岩沢さんに一目惚れをしたんじゃ」
わざとらしく大声で叫び、その発言に入江は「ええっ!!」と驚いている。
「まさかこの私に惚れるなんてことあるはず…」
「ああ!!」
俺の叫びで遮るが別に彼女発言を隠すためでわない。
「ま、まさか本当に私に惚れ……」
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