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「……マジで勘弁してくれますか?」
この理不尽すぎる世界の歪みに誰か武力介入してほしいぜ…
「いや、その…とりあえず止まってくれほしい」
普通いきなり襲ってきた奴に自転車を貸してくれと言われてはい、どうぞと自転車を渡すと思っているんだろうか…………思っているんだろうな…
「ああぁ!もう仕方ない持っていけよ!」
俺の言葉を聞いて一瞬…はい?みたいな表情を見せるがすぐに言葉の意味を悟って…
「ほ、本当にいいのか!?見ず知らずの奴に君は自転車を貸すのか!?」
自覚はあるんだな…それにだなさっきからそわそわして落ち着いてないしなんか必死だし、泣きそうになってるからな、見捨てるわけには行かないだろ…だからよく日向とかにお人よしって言われるんだろうな…
「そんなこと言ってないで早く行けよ時間がないんだろ」
倒れていた自転車を起こして少女に渡す。
「そうだな、ありがたく貸してもらおう」
自転車を受け取りそのまま、走りその勢いで自転車に乗りペダルに足をかける。
そして最後に満面な笑顔でこちらに振り返って
「このお礼は後で絶対にする。」
そう言い残し姿がだんだん見えなくなる。
…後でってそれまでの間俺はここで待って居ろと!!
…とりあえず、Keyコ―ヒでも買うか。
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