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っていえるかボケ!!
それじゃあただの変人じゃあないか!
だったらどうすれば
…一瞬内に、いろいろ考えた時、音無の頭の中に電撃が走る。
そうだ一発ギャグすればいいんだ!!
この時の俺は非常にテンパっていたので正常の判断ができていなかった。「知り合いと間違いちゃいました」って答えればよかったのにと…今して思う。
「…俺今日家に忘れものしたんだ?」
「…なにを忘れたの?」
横に首傾げながら
、いきなり音無の質問に普通に聞き返してくる少女。
というか一発芸ではないし…テンパっているからそんなことも考えられないでいる。
「財布とケータイと、
それと……ベンザカバー!!!!」
ベンザカバーという所だけ強調し体で表現する。
どっかのアニメでやっていたようなギャグであるのを真似してみた。
「ねーねお母さんあの人頭平気なの?」
「しっ、見ちゃいけませ」
人がたくさんいる所でベンザカバーと叫んだので周りから変な人を見るような目で見られる。
くっ…どうしてこんな馬鹿なことを……
「……ふふ、ベンザカバーは関係ないでしょ…ふふ…」
と笑ってくれた。
とりあえずは目の前少女が笑ってくれたので作戦は成功だ。まぁ…ものすごい恥ずかしいけど…
少女が笑い終わった後
「…名前」
「?」
名前って、えーと名前を答えろということか?
「あなたの名前は?」
まさか俺の本名を聞いていきなり肩を掴んだことを裁判に訴えるのか?
と馬鹿なことを考えるがそんなわけないかと思い、正直に答える。
「音無結弦」
「そう、綺麗な名前ね」
俺の名前を聞いてどこか嬉しそうにしている…気のせいだと思うけど。
「ありがとう、名前が綺麗だって言われたの初めてだよ」
「そうなの?」
ちょこんと横に首を傾ける動作にドキッときていまった。
「あ、ああ、そうだよ、君のな…」
「よう、音無遅れてすまん、待ったか?」
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