ふたたび

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よし…あのミスなかったことのように振る舞おう。 「立華奏か…よろしくな奏」 いきなり名前で呼ぶなんて失礼かなと思ったが彼女が満面な笑顔を浮かべて手を差し出す。一緒その笑顔に見とれてしまった。 「こちらこそよろしく結弦」 奏もいきなり俺のことを名前で呼ぶとは思わなかったがそのおかげで正気を取り戻した。 名前で呼ばれたことに不思議と心地好い感じがして俺も奏に応えるようにその手を握りしめ笑顔を浮かべる。 さっきはいきなり腕を掴まれたんで、動揺の方が大きくなにも感じる余裕がなかったが、その手は柔らかく暖かく安心するようでいてとてもドキドキするような不思議な感じがした。奏も同じように感じているような気がした。 「よう音無、明日から学校だけどちゃんと準備しているか?」 自分のベッドで仰向けになり今日のことを考えてる所に日向が梯子を上って顔を覗かしてくる。なんか…妙に嬉しそうだな、そんなに去年一人で過ごしてきたことが寂しかったのか…それとも…いや考えるのをやめよう死にたくなる。俺は男になんて興味ないからな… 「別に平気だよ…」 今はお前のことより今日再会した奏のことで頭がいっぱいなんだよ… 「まったくつれない奴だぜ、せっかく今日助けてやったのに」 助けてって……ああ、あれか俺が関根に倒されて、頭を打って気絶した時にのやつか…
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