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いつもならもっと早く立ち直るいというのに
らしくないな、自嘲気味に呟きながら少年は裏路地を行く
そうして歩いていると幾つかのビルに囲まれた広い空間に出た
いつも通りだったら何も気にせずに右に曲がりしばらく進めば彼の住む学生寮だ
しかし、今日は平然とこの広場を通り過ぎることが出来なかった
広いといっても学校の教室の半分程度しかない空間の真ん中で数人の男が少女を取り囲んでいたのだ
そんな光景に少年はため息混じりに頭を掻く
流石に見なかったことにして立ち去るには彼らは密集し過ぎている
隠密行動に長けている少年といえど、このまま出て行けば見つかって面倒な事になる
かといって後ろに向き直り戻るには自宅は遠すぎる
そう思案した後、少年は少女を囲むスキルアウトらしき男達の顔を眺める
(知ってる顔は・・・いねえか。俺の所の連中が居れば話が少しは早かったんだが)
再びため息を吐くと少年は男達の下に歩み寄る
「おい、大の男が寄ってたかって弱い者いじめかよ。情けないぜ」
「ちっ、なんだよテメエ!」
少年の言葉に正面にいた男が振り返る
それに吊られて他の男達も少年を睨む
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