帰国した悪魔

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俊明が少しは理解出来たのかどうか定かではないが 「そうですか それで自分達が今回太田に来るのにも わざわざ関係無い人間の名義でレンタカーを使わせたって訳ですね 後から警察が動けば NシステムでもGPSでも履歴が調べられますもんね」 秀樹も続けて言った 「携帯も飛ばしと使い分けたり 住んでもいない地域のアパート何ヵ所も借りて一般回線に何ヵ所も転送したりとかしてるのは そういう動きを把握されない為って事ですね」 俺は膳の上の天婦羅を箸でつつきながら 「日本の警察も馬鹿じゃない 本気で動かれたら小細工なんて物にはすぐに気が付くだろう だがな 影を踏まれただけでも 気が付く程に 俺はアンテナを張り巡らしている 影をつついてるうちに 俺は既にそこにはいない 起訴にあたいする証拠が出る事も無い アイツが犯人だろうって憶測だけじゃ 別件で逮捕してみたところで すぐに釈放する事になる」 政和も口を開いた 「でも 物凄い経費がかかってますよね... 自分なら ちょっともったいない気がしちゃいますよ...」 そう言った政和を俺は一喝した 「馬鹿野郎! シケタ事 抜かしてんじゃねぇ! テメェそんな考え方じゃ いつまでたっても三流のままだぞ それだけの仕事をしてそれだけの稼ぎがあるんだ こんな物は必要最低限の経費ってやつだ 用心とか警戒ってのはな やり過ぎなんて事は無い 自分の力を過信して 気が緩んだヤツはパクられる パクられるだけなら まだしも 最悪命を落とす事になる それが俺や オマエらの住む世界だって事を忘れるな」 政和は申し訳なさそうに うつむき縮こまった 「パクられて刑務所ん中で 俺は何をやってただとか いくら稼いでたとか パクられる以前の武勇伝を語るような野郎は ただの三流だ 一流はパクられねぇし 自分で語る武勇伝なんて物は無い オマエらが三流を目指すなら 俺のとこに居る必要は無いと思うがな」 突然3人は姿勢を正して正座し直し 「自分らは 龍司さんみたいになりたくて ここにいます まだまだ三流以下の未熟者で 龍司さんからすれば 必要無い人間かも知れませんが 少しでも早く役に立てる様に努力します だから 宜しく御願いします これからも自分らを そばに居させて下さい 自分らも 一流と呼ばれる様な 本当の男になりたいんです」 秀樹が そう言ったのに続き 俊明も政和も同じ様な事を言いながら 畳に擦り付ける程に 何度も頭を下げていた
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