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俺は冷めた天婦羅を日本酒で流し込み
「うるせぇな オマエらはよぉ 分かったから少しは静かにしろ 久し振りの和食かと思ってりゃ 冷めちまったじゃねぇか オマエらみてぇなヤツラを放り出したところで 結局行き場も無くて その辺で くだらねぇ事して懲役行くのが 目に見えてるからな 俺はヤクザの親分じゃねぇから オマエらを一人前の男に育てるなんて事は 出来ねぇが オマエらが一流の悪党になりてぇってんなら 仕立ててやるぜ 一流の悪党ってやつにな」
嬉しそうにはしゃぐ3人を 俺は冷めた目で眺めながら この小僧共の中で誰一人 一流の悪党として この弱肉強食の世界に生き残る事は出来ないだろう そんな考えが一瞬 頭に浮かんだ
俺は窓の外に視線を移しながら 独り言を呟いた
「俺の期待を 裏切れよ...」
嬉しそうに はしゃぎ続けている3人に 俺の独り言は 聞こえていない
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