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そんな事を考えながら タバコを吸っていると
「着いたようだな」
と龍司さんが 一言呟いた
「えっ...?」
俺は 寝ていると思っていた龍司さんの突然の一言に驚いた
外で車が到着した様な物音に 俺は今 気が付いた
俺は急いでタバコを消し
「外 見て来ます」
と言って すぐに外に向かった
龍司さんは首だけを振り タバコに火をつけていた
寝ていると思ったんだけどなぁ 起きてたのかなぁ
それにしても よく 外の小さな物音っていうか気配に気が付くよなぁ
俺は不思議なもんだ なんて感心しながら外に出ると 涼太さんと広志さんが到着して車を降りて来た
「お疲れ様です」
俺がそう声をかけると
「おぅ お疲れさん」
と涼太さんが笑顔で応じてくれた 俺は涼太さんが優しくて 面倒見が良いので好きだ
広志さんは歩きながら
「お疲れ 龍二さんは中か? 秀樹と政和は?」
と俺に問い掛けた
俺は秀樹と政和がいない理由だけを簡単に話した
広志さんは
「そうか」
と一言だけ言って 俺の横を素通りした
広志さんはクールだし 俺はあんまり話した事がないから やっぱりちょっと苦手だな
俺は涼太さんと広志さんの後を歩き 龍司さんのいる個室へ向かった
個室の襖の前で涼太さんと広志さんは
「失礼します 遅くなりました」
と言い中に入ると 二人は龍司さんに対面して正座し
「長旅 お疲れ様でした」
などと話始め さっきの俺の前での二人とは 別人だな なんて思いながら様子を見ていた
龍司さんはタバコを吸いながら
「 おぅ 二人共 ご苦労さんな 足を崩せ 堅苦しい挨拶なんか いらねぇよ 飯は食ったか?」
涼太さんは すぐに答えた
「食事は 終わらせて来ました」
俺は3人のやりとりを眺めていたら 龍司さんと目が合ってしまった
「俊明 オマエ 何そんな場所で ボケッと突っ立ってるんだ?
こっち来て座れ」
「えっ...あっ はいっ...」
俺は襖を閉めたまま ボケッと立って様子を眺めていたのである 我ながらバカだと痛感した
龍司さんは龍司さんの隣を指差し
「ここに座れ」
と言った
えっ...龍司さんの横に??
と思い緊張しながらも 俺は少し嬉しい気持ちで龍司さんの横に座った
龍司さんの横に座るなんて初めてだったのと 龍司さんの横で 対面して座っている涼太さんと広志さんの いつも自分らに見せてる顔と違う表情を見て 俺はまるで自分が凄い男になったかのような錯覚を感じていた
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