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広志さんが ふと テーブルの上に置いてある油紙で包まれた物に気付き
「龍司さん これは?」
龍司さんは俺の肩に ポンッと 手を乗せ
「明日 俊明が渡辺課長に届ける トカレフだ」
広志さんは俺に
「龍司さんから オマエが指名されたって事は オマエも それだけ期待されてるって事だ まぁ明日 気を付けて行って来いよ」
「はい 大丈夫です 任せて下さい」
俺も会話に加われた事により なんだか自分を認めてもらえてる様な 同じ悪党の一員になれた様な ちょっと嬉しい気分になった
涼太さんは笑いながら
「おいおぃ 返事だけは一丁前だけど オマエ本当に大丈夫か?間違えて 違う警察署とかに行くなよ」
皆は笑っている 俺も一緒に笑っている
俺も早く 龍司さんに認めてもらえる様な 男になりたい
この人達のもとで 一流になる
俺は本気で そう心に決めた
よしっ 明日は気合い入れて行くぞ
龍司さんはタバコの煙を吐きながら
「本題に戻すぞ 広志 涼太 オマエらが李とC-4を受け渡し場所に予定している 湾岸咲壺倉庫だがな そこに行く時は丸腰(武器を持たない)で行け C-4も持たずにアタッシュケースに紙粘土を10個も買って詰めて行け」
涼太さんと広志さんは 驚いた顔をして
「情報漏れか何かですか?」
涼太さんが言うと
「俺のルートでな ある信用出来る人間からの情報だ 李のグループが拠点を置く地域の県警本部から かなり圧力を受けて壊滅的らしく 密約を交わした様だ」
と龍司さんは内容を説明した
広志さんが眉間にシワを寄せ
「だったら 行く必要ないんじゃないですか?」
龍司さんは笑いながら
「まぁな 確かにそうなんだが 俺が悪戯好きなのは オマエらも知っている事だろう」
涼太さんと広志さんは 少しあきれた顔をしながら
「龍司さんの 趣味の世界って事ですね 分かりました 自分も一緒に楽しませて頂きます」
涼太さんが苦笑いしながら そう言うと 龍司さんは口元だけは笑っているが 目付きは鋭く悪魔の様な眼光で
「悪戯を 楽しむだけじゃねぇ 裏切りに対する報復ってやつも きっちり形を付けてやるぜ」
話のスケールが まるで 映画の世界だもんな 現実に俺の目の前で こんな話してるなんて 信じられねぇ
龍司さんマジ怖いっす 俺も用無しになったら 消されちゃうのかなぁ
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