信じない人

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電車は思ったより音が静かで玲は寝ていた。 もしくは寝ていたから電車が静かに感じたのかもしれない。 どちらにしろ、朝は眠い。 朝が得意な人間はきっと責任感が強い人間だけだ。 無責任なら起きる必要がない。 赤坂はそんなことを考えていたが眠れなかった。 電車は停車と発車を繰り返し、正確に止まる。 素直にすごいと思っていた。 「…………」 電車が駅で止まり、何気なく前を見ると同級生の姿が見えた。 その同級生を見る度に体の奥から憎しみが湧いてくる。 理由はわからない。 「久しぶりだね」 「? あ、おはようございます」 彼女は光莉、よく騙されるくらい正直な人間だった。 玲の同級生であり、騙されても玲を信じる人間だった。 騙されても信じるというのは玲にも理解不能だった。 わからない人間だった。 そして玲の嫌いな人物だった。
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