信じない人

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授業というのは些細な行事で頭を使わないという意味では楽だった。 嘘の方がアドリブの連発で頭を使う。 そういった意味でも勉強よりギリギリの交渉や舞台に立った方が勉強になる。 たいていの詐欺師は頭が良い。 それは脳を人より活性化させてるからじゃないだろうか。 「授業が終わった後の方が難しい顔してませんか?」 「感じ方次第だな。考え事をしていると難しい顔をしていると言う」 「そうですよね。私もよく何も考えてないみたいって言われます」 「光莉は本当に何も考えてないんじゃないか?」 「それ酷くないですか?」 「…………」 重大なミスを犯した。 そこで俺はどうして正直に言った? なぜ嘘を吐かない? 嘘を吐くなら光莉はちゃんと考えてる、と言えばいいだろうが。
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