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「一緒に帰りませんか?」
「ん?」
「帰り道一緒ですよね」
「俺はお前と一緒に帰る理由がない……が別にいいか」
嫌いだ。
構わなければいい。
別に構ってもいいが大っ嫌いな構い方をしてくる。
嘘を吐いても吐かなくても俺は優位にはならない。
騙しても騙しても信じて、不利でいながら有利だ。
嘘を吐かなければいけないって言うのに。
「ささ、帰りましょ」
「ちょっと待って」
救世主になる声が聞こえた。
喜びそうになるのを隠す。
「玲美か。光莉が誰か帰る人」
「光莉を傷付けたら許さないから」
「は?」
「それだけ。私用事あるから。あでゅー」
な、なんやてー。
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