始まりの始まり -a past of the preface-

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   ――結局、みんなはどこへ行くんだ?  俺は言った。 「決まってるでしょう、そんなの。男は嫌い」  菫色の長い髪を持った少女は、ひどくつまらなそうに応える。 「私は海かな~。できるだけ思いっ切り暴れたいからさ。それに、魚料理好きだし」  先ほどとは対象的に、蒼毛の少女はやけに得意気だ。 「俺は山かな。やっぱよ、男なら一度は馬鹿でかいドラゴンと闘ってみたいわけよ」  そう言って最後に返したのは、いつも騒がしい俺の親友。  そしてその親友はこうつけ足した、 「――で、お前はどこに行くんだ?」  屈託のない笑顔。  他の二人の視線もこちらへと集まってくる。  そうだな、俺は――――――  
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