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「ようこそ、ギルド『エアリスハティ』へ。私はメルシーナ・ゴールドフィン。ここの総監督(プリフェクト)を務めさせてもらっているわ」
藹々とした軽い挨拶を済ませ、ここにきてようやく自己紹介が始まる。
そう。彼女と俺はまったくの初対面。会ったこともなければ、互いの顔すら知らなかった。
もっとも、相手側にはこちらの情報が一通り行き届いているみたいだが。
「オルトくん、でよかったかしら。紹介状は読ませてもらったわ。中央の魔導院でトップクラスの成績だったんですってね。そんな人材がここへ来てくれるなんて嬉しい限り。歓迎させてもらいます」
長い黒髪の映える麗人は、吸い込まれてしまいそうな優しい笑顔でこちらを見据え、賛辞の言葉を送ってくる。一応、他人に誉められることには慣れているが、やはり、こういう相手だとどこか気恥ずかしい。
「いえ。中央の魔導院といっても、庶民が多く通うヴァリーストンの方ですから、そこまで大層なことでもありませんよ。王国全体の同年で考えれば、平均よりもちょっと上な程度です」
「あら、ずいぶんと謙虚なのね。あの成績なら熟練の騎士を相手取っても、軽くあしらえると思うのだけれど。もちろん、将校クラスでなければの話で」
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