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「…。」
スタスタスタ
早足になる。
…ぺたぺたぺた
そいつも足が速くなっていた。
「お前は猫か!!!」
弥一がバッと振り返ったときだった。
ガンッ!!!
「!?」
思わず口を開けて驚いた。
バタッ!
あの付きまとって来る少女が、目の前の電柱に思いっきりぶつかったのだ。
「お、おい…。」
思わず駆け寄ってしまった。
「何してんだよ…。」
鼻から血を出していた。
「おまえは真智留かよ…。」
そうだ、この間も真智留が思いっきり電柱に鼻をぶつけて鼻血を出していたっけ。
ここにもアホがいたとは。
「ったく、しょうがねーな。」
こんな俺がティッシュとかハンカチなんてものは持ってるわけもなく、仕方なく近くの自分の家に向かった。
こいつを店に連れて行ったら、俺たちは注目されちまう。
ただでさえ闇の世界にいるのに、目立ちたくはないからな。
「…はあ。」
ということで、仕方なく自宅で鼻血だけ拭いて、帰ってもらおうと思っていた。
この時までは…。
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