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「…。」
ぼーっとして突っ立ったままだ。
いくら盲目だからって…。
え?いいのかよ…。
「とりあえず、服脱げ。」
「…。」
反応がない。
「ああ!ちくしょう!脱がすからな!」
バッ!
真っ赤に染まったワンピースを脱がせた。
~30分後~
「はぁ…はぁ…。」
弥一は疲れきっていた。
ズボンとジャケットがビショビショになり、ラフスタイルになっていた。
「なんで俺がこんな事を…。」
あの小汚い少女は、体から湯気が上がっていた。
汚い髪を洗い、冷えた身体を湯船に入れ、自分の服を着させた。
今は綺麗になって、コタツに足をいれ、顎をテーブルに乗せてぬくぬくしている。
「いい身分だな畜生…。」
それにしても、俺ってなんでこう慈悲深いのか…。
こんな女、見捨てればよかったのに…。
「…はあ。」
とりあえず腹減った。
出前はまだか。
ゴソ
自分もコタツに入った。
「おい。お前名前は?」
「…。」
やっぱり反応がない。
声も出ないのか。
「わかった。これに書け。」
ガサ
机に、紙とペンを置いた。
「紙ここにある。ほら、これペンだ。」
彼女の手にペンを置いた。
ゴソゴソ
机の上の紙を確認し、ペンを持った。
カリカリ…
「おい。芯が出てないぞ。それにペンが反対だ。」
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