悪魔率30%

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カチ 芯を出して、再度ペンを持たせた。 カリカリカリ 目はどこか一点を見つめながら、紙にゆっくり書いていた。 「…きたね。」 ミミズが、紙の上で泳いでいる。 「あい…む?」 紙に「あいむ」と書かれていた。 「お前あいむって言うのか。」 「…。」 少女が始めて頷いた。 「あいむは家族いるのか?」 「…。」 首を横に振った。 「警察になんて絶対にいけないし…。下手に放置しても…。」 もう見かけからして、ホームレスか、家出少女のどっちかだ。 盲目の少女を放置してしまったら、悪い奴がこいつを利用するかもしれない。 しかもこんな季節。 凍死もありえる。 そうなるともう答えは一つだ。 「親か誰かが見つかるまでここにいていいから、大人しくするんだぞ。」 「…。」 静かに頷いた。 ■■■ 「ってわけなんだよ。」 「へえ。漫画みたいな話だね。」 弥一の隣で、キーを打つ男がいた。 カチカチカチカチ すさまじい早さだ。 「聖吉はどうすべきだと思う?」 「なにが?」 「その女だよ。今後どうすればいいと思う?」 「風俗に売り飛ばして金儲け。」 「お前なら言うと思った。」 「他に何があるんだよ。それか、性奴隷にでもしちゃえば?」 茶髪のメガネが無表情でそう言った。 「お前に相談した俺が馬鹿だったよ。」 「弥一は考えが甘いよ。」 カチ 「やっと終わった…。」 聖吉が体を伸ばした。 「うっせ。別に危害加えなくてもいいじゃねーかよ。 」 「弥一はさ、何ていうか慈悲深いよね。」 「…ふん。」 「この間も一緒に歩いてた時、捨てられた子猫をじっと見てたよね。」 「…。」 「俺は踏み潰したいとは思ったけどね。」 笑顔でそう答えた。
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