悪魔率30%

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「お前の考えこそ理解出来ないね。」 「慈悲深い奴が、詐欺しちゃいけない。お前は職を間違えてる。」 聖吉は再びパソコンの画面に目をやった。 「簡単な答えが欲しかったのに、まさかお前に説教されるなんてな。」 弥一は少しふてくされていた。 「だったら真智留に相談すればいいだろ。」 「あいつは…。」 「きっと気休めの答えが帰って来るに違いない。」 カチカチカチカチ… またキーを素早く打ち始めた。 「…いー!だっ!」 弥一が舌を出して席に戻っていった。 ガチャ 「…たく。」 「弥一。どうしたの?そんなキリキリマイで。」 「は?」 「ぷんすかしてるって。」 「…なんでもねぇよ。」 アホな真智留には黙っておこう。 つか、あいつ余計な事をしてないよな? 「ガスとか…。ストーブ…。」 黙って座っとけとは言いつけてきたが、いかんせん心配だ。 「…。」 絶対外から出ないように! 音が鳴っても出るな! テーブルに飯がある! と言いつけた。 俺のパジャマ(上)だけで徘徊している。 と、あいむの早急に乾かした下着上下とも一枚のみ。 服でも買ってやらなきゃな。 「…ハッ。」 弥一は夢から覚めたように、目をパッチリ開いた。 「何言ってんだ…。」 少しウキウキしていた自分が馬鹿だ。
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