悪魔率30%

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「はぁ…。」 「どうしたの?」 「いや、なんでも。」 ちょっと心配になってきた。 「…。」 「弥一。」 「お前顔近い。」 「何?好きな子の事?」 「違う。それより面倒な事だ。」 「えー何々?」 「何でもねえって。」 「…そうか。」 真智留が少し寂しそうだった。 「…心配だ。」 弥一は頭を抱えた。 ■■■ 「おい。また院長に怒られたぞ。」 例の先輩医師が腕を組んで廊下を歩いていた。 「どこ行っちゃったんですかね。」 「さあな。」 「死体があがれば…こんな苦労しなくてすむのに。」 「まだ死んでるかわからないだろ?」 「こんな寒い夜に一晩過ごせると思いますか?」 「あの格好じゃな…。」 「絶対凍死とかしてますよ。それか、どこかの悪い人に連れられて…。」 「逆もあるかもな。」 「え?」 「良い人に拾われたかもしれないだろ?」 「…。」 若い研修医が口を尖らせた。 「首輪つけとけば良かった。」 「お前がドアを閉め忘れるから。」 「先輩じゃないですか!」 「そうだっけ?」 「そうですよ。あの日は先輩が施錠を忘れたんです。」
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