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「はぁ…。」
「どうしたの?」
「いや、なんでも。」
ちょっと心配になってきた。
「…。」
「弥一。」
「お前顔近い。」
「何?好きな子の事?」
「違う。それより面倒な事だ。」
「えー何々?」
「何でもねえって。」
「…そうか。」
真智留が少し寂しそうだった。
「…心配だ。」
弥一は頭を抱えた。
■■■
「おい。また院長に怒られたぞ。」
例の先輩医師が腕を組んで廊下を歩いていた。
「どこ行っちゃったんですかね。」
「さあな。」
「死体があがれば…こんな苦労しなくてすむのに。」
「まだ死んでるかわからないだろ?」
「こんな寒い夜に一晩過ごせると思いますか?」
「あの格好じゃな…。」
「絶対凍死とかしてますよ。それか、どこかの悪い人に連れられて…。」
「逆もあるかもな。」
「え?」
「良い人に拾われたかもしれないだろ?」
「…。」
若い研修医が口を尖らせた。
「首輪つけとけば良かった。」
「お前がドアを閉め忘れるから。」
「先輩じゃないですか!」
「そうだっけ?」
「そうですよ。あの日は先輩が施錠を忘れたんです。」
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