悪魔率30%

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「…。」 あいむを起こして、パジャマを着るように言いつけた。 「よし。」 ゴソゴソ またコタツに篭った。 しかし、何で俺だったんだ。 目は見えないとは言え、ガラ悪いのは声でわかるはず。 あの時なんでついてきたのか。 謎だ。 「あいむ。飯。」 「…。」 眠たそうだった。 「適当に握り買ってきた。ほら。」 ガサガサ コンビニの袋をテーブルに置いた。 「…。」 ゆっくりと体を動かした。 「ツナと明太子。とカフェオレ。」 「…。」 あいむがゆっくり手を伸ばした。 「…。」 おにぎりの形を触って確認している。 「三角だ。…開けられるか?」 「…。」 全体を触って、切り口を探している。 「貸せ。」 あいむからおにぎりを取り上げ、開封してやった。 「…。」 それをまたスローペースで口に運ぶ。 「…うまいか?」 一度、頷いた。 「お前何もできねーな。よくここまで生きていけたよな。」 カフェオレも開けてやった。 「お前、もしかしてどっかのお嬢様だったりする?」 「…。」 反応はない。 「もし、お嬢様だったら家か通帳を持って来い。」 あいむがまた一度頷いた。 「…。」 なんだか、本当に人形みたいだ。 生きているというより、生かされてるているって感じがする。 何をするにも無表情、頷くか首を振るか…。最新の人形のほうがもっと動くぞ。 「あいむ。ちょっと笑ってみろ。」 そう言うと、あいむは口角を全力で上げた。 「…。」 弥一は眉をしかめた。 目は何故か左を向き、口角を全力で上げる髪の長い女。 「…もういい。」 パク またおにぎりを食べ始めた。 「ふう…。」 少し寒気がした。
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