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「ずっとこのままにしておくのか?」
聖吉が画面を見ながら言った。
「…宛があったら返すつもりではいる。」
「どうする?警察から捜索願が出てたら。」
「…それは。」
「お前のやってる事は「誘拐」だ。しゃべる事も見ることも出来ないこの子が保護された時、お前は刑務所だろうな。」
「じゃあ、どうするんだよ?道に置き去りにしていけって言うのか?」
「それが一番の対策だと思うけどな。」
「出来るか!こんな寒い中放置するなんて悪魔のする事だ。」
「…だからお前は甘いんだ。」
「あ?」
「悪魔になれないなら会社辞めろ。目障りだ。」
「だとコラ!!!」
ガシャン!!
「!?」
真智留が2人に目をやった。
弥一は、聖吉の胸倉を掴んでいた。
「もういっぺん言ってみろ!!!」
「お前みたいなのがいるから立て続けに捕まっちまう。お前に、あの会社にいる資格はない。」
「うるせー!!お前に何がわかんだよ!!」
ガッ!!
弥一が聖吉の頬を殴った。
一瞬よろめいたが、すかさず聖吉が拳を弥一に向けた。
「なにすんだゴラァ!!!」
ガッ!
とうとう殴り合いが始まってしまった。
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