悪魔率30%

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ガッ! ドガッ! 「…。」 真智留は、あいむを抱き寄せていた。 「あいむちゃん?」 ふと真智留が彼女の顔を覗いた。 「弥一!あいむちゃんが!」 真智留が叫んだ。 「!」 弥一が、「あいむ」の言葉に反応した。 ピタッ そして動きを止めた。 「…。」 聖吉も、それを見て腕を下ろした。 「あいむ?」 弥一があいむに近づいた。 「…。」 彼女は、目から涙を流していた。 「どうした?」 グスッ 体を震わせて泣いていた。 「…。」 黙って頭を撫でてやった。 「…ふん。」 聖吉はまだ目を鋭くさせながら、そのまま玄関に向かってしまった。 ガチャン 「きっと、怖かったんだよ。」 「…ごめんな。」 「…。」 「あいむ…。」 どんなに優しく声をかけても、頭を撫でても、あいむの涙はしばらく止まらなかった。
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