佐川さん家の美人妻

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「あいむちゃんのこと、ゴミを見るような目で見てたけどね。」 「まあ、そこはな…。それより、あの人のファッションセンスが気になるけどな。」 「ゴールドのドレスとか?」 「まさか。そんなのアホでしょ。」 ガチャ 弥一が席に着いた。 「なあ、あれって下沢の彼女?」 斜めの席のあごひげの似合う男が、弥一に話しかけてきた。 「え?いや…。」 「弥一の隠し子です。」 真智留が答えた。 「え?隠し子?!」 吸ってたタバコを落としそうになっていた。 「なわけあるかっ!…違いますよ。道に迷っている所を保護したんです。」 「へえ。なかなかやるじゃん。」 笑いながら肩を叩かれた。 「何がですか?」 「だから、それで彼女になったんだろ?」 「いえ、ただの同居人って感じですよ。」 「え?何もしてないの?」 「ええ…まあ…。」 「紳士だなあ。…確かに彼女にしては幼いなとは思ったんだ。」 「まだ中学生って感じですね。ガキじゃあ、興奮もクソもないです。」 「そっか、俺はてっきりロリコンかと思ったぜ。」 ワイルドなおじさんが口から煙を吐いた。 「断じて違います!まあ、確かに可愛いですけどね…。」 「妹だったら可愛いな。」 「そうですね。」 ガタ 奥の方で聖吉が立ち上がった。 「…。」 弥一がそれをジッと見た。 「夜羽と喧嘩したんだろ。」 「ちょっと、モメちゃいました。」 「2人して顔に絆創膏貼って来たからな。すぐわかったぜ。」
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